和紙礼状 は必要? 香典返し に添える和紙礼状を解説
香典返しや法要後のご挨拶に「和紙礼状は必要なの?」という疑問にお答えします。
形式だけでなく「気持ちを伝えること」を重視した新しい礼状の形もご紹介します。
📜 和紙礼状の歴史(豆知識)
和紙自体は奈良時代にはすでに存在しており、平安時代には宮廷や公家で文書や手紙に用いられていたそうです。
奉書紙は室町時代には武家の正式文書に使われる紙だったともいわれています。
江戸時代には庶民の間でも贈答や弔事での「礼状文化」が広まり、和紙の礼状が儀礼の一部として定着していったそうです。
和紙礼状の目的
ここでいう和紙礼状とは、香典返しのご挨拶などで用いられる「気持ちを形にするための挨拶状」です。
和紙を使うことで、丁寧さや礼儀正しさを自然に伝えることができます。

和紙礼状の材質
奉書紙(Houshoshi)
- 特徴: 白く滑らかな質感で格式高い印象
- 用途: 公文書、冠婚葬祭(特に弔事)
- 歴史: 中世から近世にかけて公文書に使用
大礼紙(Taireishi)
- 特徴: 繊維が漉き込まれており、上品で装飾的
- 用途: 封筒、メッセージカード、障子紙など
- 起源: 昭和天皇の即位の礼にちなみ作られた
しこくてんれい
- 特徴: 大礼紙の高級印刷用紙版
- 用途: 和紙風の高級印刷物に使用

和紙礼状の形状
和紙礼状は横長の目録タイプが一般的で、別名「巻き紙」とも呼ばれます。
文末から折りたたみ、専用封筒に入れて使用します。

和紙礼状は必要?
和紙礼状は「絶対に必要」というわけではありません。
ただし、香典返しや法要後のご挨拶では「気持ちをどう伝えるか」が重要であり、その手段として選ばれてきました。
- 丁寧で礼儀正しい印象を与える
- 受け取る方に「心を込めて準備してくれた」と感じてもらえる
- 香典返し・法要のマナーとして安心できる

宗教や用途に合わせた和紙礼状の多様化
近年、香典返しや法要後のご挨拶において、宗教や用途に合わせた和紙礼状のニーズが高まっています。 かつては仏式が中心でしたが、現代では神道・キリスト教・無宗教形式、さらにはお見舞い返しなど、さまざまなシーンで柔軟に対応できる礼状が求められるようになっています。
神道用の和紙礼状
神道のご葬儀や法要では、「御玉串料」や「御榊料」といった表現を用いるのが一般的です。 掛け紙の表書きは、仏式の「七七日忌」「志」といった文面とは異なり、「五十日祭」「偲び草」など、神道特有の用語と格式に沿った表現が必要です。 奉書紙を使用し、簡素かつ清浄感のあるレイアウトが好まれる傾向があります。
キリスト教用の和紙礼状
キリスト教のご葬儀では「御花料」という表現を用いるのが一般的です。 和紙礼状においても、「召天記念」などの表現を使う必要があります。 白を基調とした大礼紙やシンプルな奉書紙がよく用いられます。
無宗教用の和紙礼状
最近では宗教色を持たない葬儀やお別れ会も増えており、無宗教に対応した和紙礼状も一般的になりつつあります。掛け紙の表書きは「御礼」など特定の宗教を連想しない書き方を行います。 和紙礼状においても「感謝のご挨拶」といった、柔らかい文面でまとめるのが特徴です。 奉書紙や大礼紙に限らず、現代的で落ち着いたデザインも選ばれるケースが増えています。
お見舞い返しでの和紙礼状
弔事だけでなく、お見舞い返しにおいても和紙礼状が使われることがあります。病気療養中にお見舞いを頂いたものの、ご逝去になった場合には、お見舞いのお礼状を添えて品物を贈ります。お見舞いをいただいたことへの感謝の気持ちを伝えるためです。和紙礼状という丁寧さが、より深い気持ちを伝える助けとなります。
このように、和紙礼状は単に形式的なものではなく、宗教・用途に応じて「想いを届けるための手段」として進化しています。 六感工房では、仏式・神道・キリスト教・無宗教・お見舞い返しなど、あらゆるニーズに応じた礼状をご提案して参ります。

新しい和紙礼状の形状
昔ながらの横に長いタイプの和紙礼状に加え、現代の風潮を取り入れたB5、A4サイズの和紙礼状も増加傾向です。
- SDGs(持続可能な開発目標)における紙量の削減
- 慣れた紙サイズでの読みやすさへの配慮
- 現代的なデザイン性の礼状へのニーズ

和紙礼状まで格式ばりたくない → スマート礼状
和紙礼状までも格式張らず、メッセージカードよりもきちっと感謝を伝えたい。
メッセージカードをA4サイズにした三つ折りカード

💡 まとめ:大事なのは形式より「想い」
和紙礼状の世界も、「故きを温ねて新しきを知る(温故知新)」の考え方が生きています。
形式は時代とともに変化しても、感謝の気持ちは今も昔も変わりません。
大切なのは、「想い」をきちんと届けることではないでしょうか。